無期労働契約への転換
- 2018年6月10日
平成25年4月に改正された労働契約法により、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換することになりました。
それにより、平成30年4月より順次無期労働契約への転換が始まっていますが、会社で雇用している有期契約のパート、契約社員、嘱託社員等(以下「パート」という)の契約変更は順調に進んでいますか?
中には、「パートさんを正社員に転換しなければならない」と勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いで、あくまでも雇用期間を有期契約から無期契約へ変更するだけで、職務、勤務地、賃金、労働時間等は別段の定めがない限り、直前の有期契約の内容と同じでも構わないのです。
但し、単純に雇用期間の変更だけでは済みません。以下の件に注意してご対応ください。
1. パートさんの定年退職日の明確化
・今までは有期契約だったので、特に定年退職日を特定しなくても、契約期間満了での雇止めで対
応ができましたが、それができなくなります。
2. 高年齢者雇用確保措置の運用
・上記1で定年退職を60歳と定めた場合は、正社員と同様に本人が希望すれば、65歳まで雇用しな
ければならない等の雇用確保措置をとらなければなりません。
3. 有期雇用特別措置法の第二種計画認定申請の提出
・「定年後は再度有期雇用のパートとして雇用継続をする」とした場合、また有期雇用期間が5年を
超えた場合は、再度無期雇用へ転換しなければなりません。この有期雇用特措法を申請すれば、
65歳以降の5年を超えた場合でも、引き続き有期雇用として継続することができます。
4. 就業規則の整備
・きちんと上記の案件を取り決めて、就業規則等に記載する必要があります。
今は人手不足で、パートさんも貴重な戦力だと思います。もう一度会社内での取り決めに不備はないかをチェックして、パートさんにもきちんと説明をして、労使ともお互い納得できるように進めてもらえばと思います。